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<静岡昆虫同好会ニュース 1958年 No.2>

● 目 次
 俵峰で採集会(No.2-1)
 永井洋三:山梨県立富士国立公園博物館を見て (No.2-2)

 静岡昆虫同好会ニュース No.2-1 (1958年7月15日)

  俵峰で採集会

 1958年5月18日静岡市俵峰で採集会を行った.参加者は25名,富士,藤枝等から遠路はるばる静岡市に足を運ばれた方もあった.9時頃俵沢に着き,すぐそばの橋のわきで全員揃って記念撮影,それから思い思いのペースで俵峰に向かった.俵峰では少々飛び古したウスバシロチョウがふわふわと茶畑や麦畑の上を飛び,ところどころで"サオ"のあたる音も耳に入った.昼食後全員揃って自己紹介を行い,各人の名前と顔を覚えた.蝶の飛ばなくなった午後4時頃無事帰路に着いた.小学生もまじえ,なごやかな一日であった.幸い天候にも恵まれ採集品は31種に及んだ.採集品は次の通り.

1) ツマキチョウ 18♂♂9♀♀      2) モンシロチョウ7♂♂5♀♀
3) スジグロシロチョウ6♂♂1♀      4) キチョウ1♀
5) モンキチョウ1♂      6) ダイミョウセセリ15♂♂1♀
7) ミヤマチャバネセセリ11♂♂2♀♀      8) ヒメキマダラセセリ4♂♂
9) コチャバネセセリ2♂♂      10) アサギマダラ1♂
11) ウスバシロチョウ101♂♂49♀♀      12) クロアゲハ1♂1♀
13) オナガアゲハ4♂♂1♀      14) カラスアゲハ5♂♂2♀♀
15) ジャコウアゲハ2♂♂1♀      16) アオスジアゲハ1♂
17) モンキアゲハ1♂      18) ヤマトシジミ3♂♂
19) ムラサキシジミ1♀      20) ベニシジミ1♀
21) ツバメシジミ1♀      22) トラフシジミ1♀
23) アカタテハ1♀      24) スミナガシ1♂
25) キタテハ1♂      26) クモガタヒョウモン3♂♂ 
27) コミスジ3♂♂4♀♀      28) キマダラヒカゲ1♂2♀♀
29) コジャノメ2♂♂1♀      30) ヒメウラナミジャノメ7♂♂
31) クロヒカゲ3♂♂

 静岡昆虫同好会ニュース No.1-2 (1958年7月15日)

  山梨県立富士国立公園博物館を見て 永井洋三

 昨年6月30日河口湖畔にある富士国立公園博物館を見学する機会を得た.主な陳列品は富士火山の溶岩や富士山とその付近の動植物である.昆虫類の標本は富士山北麓,三ッ峠附近のチョウ類だけ,標本の数はかなり多く,どれも1956年の採集品のようであった.これらの中で本栖湖岸産のオナガシジミ,キバネセセリ等は注目に値するものと思われる.この地方産のゴマシジミも多数並んでいた.アゲハモドキがジャコウアゲハとして陳列されているのはまずい.昆虫ではチョウだけ展示してあるのは,この地方の同好者の数が少ないことを示しているのではないだろうか.

 鳥の剥製が多数展示されているが,どれもひどくいたんでおり,種名なども旧かなづかいのままであるのも,早急に改善してもらいたいものである.