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<2012年の活動実績>

 新年会  内容も人口密度も最高か

 2012年1月21日、いつもの静岡市葵区伝馬町の「マイホテル竜宮」で開かれた新年会は、どこそこの町内会に広い部屋を取られて狭い部屋になってしまったところに30名もの参加者があり、立食パーティーなのに席の移動に苦労する状態でした。加えて静昆には珍しい女性の参加者が3人もいらして、いつもにも増して盛り上がりました。さらにそこに東京からは朝日純 一氏、神奈川県からは岩野秀俊氏、三重県からは常連の中西元男氏が、遠路はるばる加わって、豪華な顔ぶれとなりました。それぞれの方から、サハリンと北海道の蝶のお話、相模の記録蝶のお話、三重県の昆虫調査のお話をいただきました。まだ出席されたことのない会員の皆様、来年はたぶんもっと広い部屋で、60周年を祝ってさらに大勢で豪華な参加者が予想されますので、ぜひどうぞ。


北條会長の紹介を受ける朝日氏(中央)

北條会長と池谷氏と鈴木氏(半分)

「相模の蝶を語る会」の活動内容を紹介する岩野氏



 総 会  こちらも会場が狭かった…

2012年2月19日、いつもの東部生涯学習センターが耐震工事中のため、葵区東草深の「あいせる21」で24名の会員の出席のもと、総会が開かれました。概要はつぎのとおりです。

・2011年度事業報告
  「駿河の昆虫」233,234,235,236号の発行。全102ページ。

  「ちゃっきりむし」167〜170号の発行。

  会合・観察会:幹事会、新年会、総会、興津黒川観察会、井川白樺荘合宿、ミヤマシジミ観察会、アサギマダラ調査会、ゲニタリア勉強会の実施。麻機遊水地昆虫観察会は雨のため中止。

  展示会:藤枝市環境・自然展(藤枝市文化センター)、シベリア写真展(桶ヶ谷沼ビジターセンター)、サイエンスピクニック(静岡科学館る・く・る)にて実施。

  会員数272名。
  2011年度は「ゴシュケビッチ」の発行はありませんでした。


・2010年度収支決算 (略)

・2012年度事業計画
  「駿河の昆虫」 237号:2月末日発行予定(鈴木英文編集)。238号:5月末日発行予定(平井剛男編集)。239号:9月末日発行予定(池谷正編集)、240号:11月末日発行予定(白井和伸)。原稿は事務局または直接編集担当者宛てにお送りください。
  海外調査報告書「ゴシュケビッチ」bR 12月発行予定。1500円。

・行事予定

・標本資料整理事業
 県立博物館の設立に向けて標本の保存事業などを行なっているNPO法人自然史博ネットに協力して標本の整理を行なっています。現在の旧清水保健所から近く廃校となる県立高校に移る準備として、24年度はその設計費が認められました。以後、改修工事、引越しとなってゆくかと思います。

・60周年記念文集
 現在執筆依頼中ですが、すでにいくつかの原稿もいただいています。発行は2013年の初めになります。同好会60年の歩みも加えたいと思います。

・話題提供 休憩後、次の三件のお話しがありました。

@ クロマダラソテツシジミの調査:杉山友英、鈴木利和
 昨年浜松市で確認されたのは中区の1か所だけ。他に焼津市、伊東市でも見つかっているがそれ以外には広がっていないもよう。浜松市南部ではムラサキツバメ成虫の越冬集団を確認した。


A 中国北京東霊山の蝶:池谷 正
 アカボシウスバやシロモンコムラサキ、セトーシジミなど50種を記録。

B 西イリアンの昆虫:杉本 武
 昨年11月末に訪れたようすをスライドと標本で紹介。トリバネチョウなどの蝶類、蛾類、トンボ、甲虫など多様性に富む。


 黒川昆虫観察会

今年も5月13日の日曜日、不安定な天気の合間の好天の日、NPO自然史博ネットとの共催で、静岡市清水区興津川上流黒川の「やすらぎの里」で自然観察会が実施され、50人前後の参加者がありました。午前中は昆虫観察会として林道を往復してきました。キャンプ場周辺のツツジの花にはオナガアゲハ、ジャコウアゲハが多く、今年はアオバセセリやナガサキアゲハを採集した子供もいました。蝶では他にトラフシジミやクロコノマチョウも見られました。
 面白い昆虫としてはツチハンミョウ。幼虫は花上でハナバチ類を待ち構え、ハチの巣に運ばれてハチの幼虫や蜜を食べて育つという生活史を持っています。
 午後は川に入って魚や水生昆虫の観察。ヤゴやヘビトンボの幼虫の他、アマゴやオオヨシノボリ、ルリヨシノボリ、カジカガエルといった魚類、両生類まで捕まえました。この日はシカの角やイノシシの頭骨を拾うというおまけまでありました。
 例年、子供たちに人気なのはクガビルやイモリ、アオダイショウといった生き物たち。競って触ったり首に巻いたりしていました。子供たちは本来生き物が好きです。それを上手に延ばして、虫好き、自然好きな大人に育って行けるよう、手助けしてゆく上にも、自然史博物館の設立が望まれます。

 盛況だった伊豆高原合同調査会

2012年8月24日(金)〜25(土)、日本鱗翅学会東海支部、相模の蝶を語る会、伊豆昆虫ゼミナール、静岡昆虫同好会の4団体による「合同調査会」が伊東市伊豆高原で行なわれ、36人もの参加者がありました。夕食後、高橋真弓氏による「伊豆半島のウラナミジャノメ」、柳本茂氏の「三浦半島のクロマダラソテツシジミ」、諏訪哲夫氏の「静岡県の絶滅危惧種の現状」、篠嶋正彰氏の「今年の伊豆探索の状況報告」といった、講演・話題提供がありました。翌日は遠笠山および細野高原で調査観察が行なわれました。


高橋真弓氏の話題提供

楽しい宴会の始まり

全員集合

翌日の観察会風景


 リニューアルされた会場で談話会

9月2日(日)、耐震工事も終わった静岡市千代田の「静岡市東部生涯学習センター」で談話会が行なわれ24人の会員が出席しました。自己紹介と近況報告の後、以下の"話題提供"がありました。
清邦彦「オガサワラシジミの生息状況」。 諏訪哲夫「ラオス3月の蝶」。 杉山友英「ベトナムの蝶」。 永井彰「インドネシア・スラウェシの蝶」


 ミヤマシジミの環境保全と生息状況を確認

9月15日(土)、会員6名と市役所関係、ボランティアの方々と安倍川の一部に生息していることを確認、観察し、コマツナギを覆うクズ、ススキ、ノイバラなどを刈り取りました。


 アサギマダラ調査会 

10月28日菊川市で6名の会員と約20名の地元の方が参加してアサギマダラ観察会が行われました。今にも雨が降り出しそうな曇り空と低温でアサギマダラは見られませんでしたが、アサギマダラとマーキング調査などについての説明会を行ったところで雨が降り出し、終了となりました。



集まった人々


フジバカマを植えている地元代表のあいさつ


アサギマダラについて解説中


 ゲニタリア勉強会

11月10日(土)の午後から東海大学8号館の生物実験室において行われました.参加者は途中から来た人も含めて11人でした.
 高橋真弓先生が資料を元に概説を15分ほど行いました.説明内容は、はじめにゲニタリアの各部名称を解説した後,代表的な種の特徴を紹介していただきました.次に顕微鏡でゲニタリアを観察できるまでの手順を説明.当日は、キチョウ,ベモンアゲハなど三角紙標本のサンプルをたくさん準備していただいてあり,参加者はそれらや自分が持ってきた標本の尾端を切り取り、苛性カリ20%水溶液で数分間湯煎して実体顕微鏡下で交尾器の観察しました.今年は永井先生の配慮でサンプル管がたくさん入るウォーターバスを用意していただき,参加者の中にはこの時ぞばかりと多くの標本を持ち込んでたくさんのゲニタリアを切る人もいました.なお,東海大学の小野先生から,ゲニタリアチューブとして0.1mlのPCRチューブが安価でいいのではないかと紹介されました.1000個単位で購入する必要がありますが,1個の価格は2〜6円とのことです.


会場


高橋先生の解説


検鏡風景

集合写真(訳があり清夫婦は写っていません)